毎日お疲れ様です、管理栄養士のななたです。
この記事は、
というかた向けです。
管理栄養士は少人数配置が多く、多忙になりがち。
残業でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、わたしが以前勤務していた直営保育園での体験談をご紹介します。
人間関係を改善して人員補充を交渉した結果、残業を月52時間からゼロにできました。
時間はかかりましたが、環境を変えるには「まず声を上げること」が大切だと痛感。
実際にやったことや気づいたことをまとめたので、つらい思いをしている方の参考になれば幸いです。
業務で工夫した点も記事にしています。あわせてごらん下さい。
職場の環境
調理師はおらず、栄養士の上司1名とともに調理業務と栄養士業務の両方をしていました。
パートさんは2名いましたが、おやつの調理からは栄養士2名体制です。
厨房内の人間関係は良好だったのが救い。
残業の原因
ひとことでいうと、人手不足。
厨房での業務がおわるころには退勤時間寸前で、栄養士業務をする時間がありませんでした。
人員補充の予定もないまま、毎日2時間の残業があたりまえ。
遅番のパートさんがいればなぁと思いつつ、新卒だったため「社会人ってこんなものなのかな」と納得していました。
自分の努力だけじゃどうにもできなかった
残業禁止令
ある日、監査で指摘があったのか、とつぜん園長から”残業は原則禁止で事前申告制”と職員に通達が。
定時を過ぎてから発生する業務もあったため、どんなに早く仕事をしても定時に帰ることは不可能でした。
上司が園長に人員補充を交渉するも「募集はしているけど人が来ない」とのこと。
実は、応募がない以外にも大きな原因がありました。
人手不足の原因
人員補充を実現するにはまず保育士さんに納得してもらう必要がありました。
保育士さんの発言力が強く、園長とのパワーバランスが逆転している特殊な園だったのです。
ベテランの保育士さんが多く、「保育士だって人がたりてないのに厨房にばっかり入れるの!?」と、園長は勢いに押されていた様子。
なかなか採用に本腰を入れてくれませんでした。
かなり特殊な環境だった
上司が退職し責任者に
上司は保育主任から「保育士は残業しないようにがんばってる。栄養士は2人もいるのに残業時間が多すぎる!」と責められていました。
わたしが説明しようとしても、「あなたは悪くない、〇〇(上司)と話をしている。」と聞いてもらえず。
それからは仕事を残してむりやり早く退勤していました。
退勤後、上司とカフェで仕事の続きをしたり、家に持ち帰ったりしてサービス残業状態。
そして上司は退職し、部下が入職。わたしが現場責任者となりました。
慣れない業務でバタつくなかでも、残業時間はへらしていかなくてはなりません。
わたしは気が弱く、あまり自分の意見は言えない性格でしたが「責任者になった以上、自分で何とかするしかない」と覚悟が決まりました。
まずはしっかり現場の状態を説明して、わかってもらいたい!
環境を変えるためにやったこと
現状をくわしく説明して周囲の理解と協力を得てから、園長に要望を伝えた。
前項でお話ししたとおり、保育士さんが最強のかなり特殊な園でした。
自分が動きやすくなるためにはまわりの人間関係が大切です。
保育士さんに誤解されていることもあったため、まずは現状をしっかり説明しようと考えました。
職員会議で発言
職員会議で発言しようと原稿を作りこみました。
どの順番で話したらまとまるか、聞きやすいか、反感を買わないか、などを意識。
こういう意見が出たらこう答える、といった対応も予測してメモしておきました。
A4用紙3枚ほどになりました。
話した内容
自分の気持ちを最初に伝えました。
理由は、残業の原因だけを淡々と言っても反感を買うため。
保育士さんは「すべては子どものため」と熱意がある方ばかりでした。
まずはその気持ちに共感しながら、自分のやりたいこと、今の勤務体制ではできない理由を説明。
子どものために給食もより良くしたいという思いを最初に熱弁しました。
残業についての議題でピリついていた空気がほどける感覚がありました……!
そして残業ゼロが現状では不可能な理由を説明。
”職員全員が時間に追われながら頑張っているのは承知している”と、保育士さんの気持ちも汲むように話しました。
さらに「調理以外は献立と発注くらいですぐ終われるはず」という誤解もあったため、ほかにも業務がたくさんあること、栄養士業務の時間自体がないこと、時間短縮のために努力したことなども説明しました。
結果
保育士さん達は深くうなずいて聞いてくれ、会議後、「よく言った!」「話を聞いたらよくわかった。すごく納得した。」と口々に褒められました。
話し終わったあと、音が鳴らないように空中で拍手してくれている保育士さんもいてうれしかった!
元上司には何を言っても回答が返ってこなかったから不信感があったそう。
「これからもどんどん発言して、自分たちにも相談してほしい」と味方になってもらえました。
この会議以降、保育士さんが味方してくれることで、園長への要望がとおりやすくなりました。
発言するのは怖かったですが、現状を正しく理解してもらうことは大事だと実感。
「嫌われたら終わりだ」と言動を気にするストレスもへり、仕事に集中できるようになりました。
最初に共感を得ることで話をしっかり聞いてもらえ、事前に話す内容をまとめておくことでスムーズに話せました。
声を上げて良かった!
まずは現状や要望を整理して書き出してみるのをオススメします。
人員補充を交渉
園長に残業ゼロのためには人員補充が不可欠と交渉をしました。
保育士さんも背中を押してくれましたが、緊張はするもの。
職員会議のとき同様、話す内容をメモして下準備をしていきました。
スムーズに話し合うために気をつけたこと
- アポ取りをした
事前に話ができる日時をうかがいました。
”15分ほどお時間いただけますか”とだいたいの時間を伝えます。
相手の時間と気持ちに余裕があるときに話すのがベストです。 - 1対1で話すようにした
意見をまとめて代表者(わたし)が伝えました。
複数人で責めるような形になってしまったり、話がまとまりにくくなったりするのを防げます。 - 相手の性格や状況に合わせた
性格や状況によって、要点や結論だけ早く伝えてほしい、最初から順序立てて話してほしいなど要望はちがいます。
一方的にならず「今ので伝わりましたか」、「もう少し話して大丈夫ですか」など相手に確認しながら話しました。 - 資料を作っていった
タイムスケジュールを作って提出しました。
いつだれがどんな仕事をしてどれくらいの時間がかかるか、時間短縮のために努力していることなどを記入。
資料があれば、言い方による思いちがいや伝え漏れ、イメージがわきにくいといった問題が解決できます。
スムーズに話が進みました!
結果
保育士さんが味方になってくれたことで、園長も本腰を入れて動いてくれるように。
遅番ができる派遣のかたを1名雇ってくれるようになりました。
人員補充などには時間がかかるため、相談は早めにしておくべきだと感じました。
言わなければ伝わらないこともたくさんあります。
要望がある場合は、まず相談してみることが大切です。
言わないままではなにも変わりませんでした。
念願の人員補充!しかし……
人員補充はされましたが、数日~数週間で退職という方の連続でした。
新しい人が来るたびに業務の説明をして、よけいに時間がかかっていました。
糸こんにゃくを包丁で切る指示をしても、爪で1本ずつちぎるなど指示のとおりにしない人もいました。
むしろ仕事が増えてる!ストレスもやばい!
再度園長に相談し、半年ほどかかりましたが、仕事がこなせる人に来てもらえました。(5人目くらいで……)
しかし、これだけではおわれません。笑
人員補充してもらったからには残業ゼロは当然で、さらに今まで以上の実績を見せなければいけませんでした。
そのためには調理・栄養士業務にも工夫や改善が必要。
業務内容についてはこちらの記事でつづきをお話ししています。
まとめ
自分の思いや現状を伝えた結果、職場環境を変えることができました。
いちばんお伝えしたいことは、『限界が来る前にまず声を上げる』こと。
まわりの人に、現状を正しく把握してもらうことが重要だと感じました。
「しんどいのは自分だけじゃない」と抱えこんでしまうより、まず味方になってくれる人をみつけるなど、声を上げやすい状況にしていきましょう。
環境を変えるためには時間がかかるため、大変だとは思いますが早めに相談することをオススメします。
自身の健康を大切にしてくださいね。