こんにちは、管理栄養士のななたです。
保育園で勤務していると、アレルギーに関する面談や問い合わせの応答など、栄養士も保護者と話す機会があります。
顔をあわせる機会があまり多くないからこそ、信頼関係は大切にしていきたいもの。
しかし、慣れないうちは「ちゃんとできるかな?」と不安になりますよね。
そこで今回は、
という方向けに保護者対応のポイントを6つまとめました。
緊張しやすいわたしがやってよかったことや、シーン別で使える例文もたくさんご紹介しています。
この記事を読むことで、あせらず落ち着いて対応できるようになりますよ。
保護者対応で気をつけるポイント6つ
順番に解説していきます。
身だしなみをととのえる
保護者と対面するときは、事前に自分の身だしなみを軽くチェックしましょう。
見た目の印象や清潔感は大切です。
見た目でマイナスイメージをもたれて、損しないために!
厨房に入っている場合、髪をくくっていても帽子を取るときにくずれたり、気づかないうちに調味料がはねて服についていることも。
髪はまとまっているか、服に目立つよごれ・シミなどがないかなどを軽くみておきます。
大きな声でハッキリ話す
相手に伝わりやすい声の大きさで、ハッキリと話すよう心がけましょう。
自信がなかったり、緊張していると声が出にくくなるため、大きめの声を意識してみてください。
話が聞きとりづらいと、まちがった内容で相手に伝わってしまうこともあります。
トラブルのもとにもなるため、聞きとりやすい声で話すことをいちばんに考えることをオススメします。
わたしは声が通りにくく小さいうえにマスクもしていたため、はじめはよく聞き返されていました。
相手から「え!?」って聞かれると怖くなってしまい、ますます言葉がでないタイプだった。
まずは毎朝のあいさつをするときだけでもしっかり声を出すことを意識しました。
だんだん声が出せるようになりましたよ。
元気にあいさつする園児にパワーをもらってた!
ていねいに対応する
栄養士も職員の一員です。最低限のマナーや敬語は意識しましょう。
クレームの原因にもなるため、ていねいな言葉づかいや対応を。
この記事を読んでくださっている時点で「ちゃんと対応したい」と思っている、ていねいな方だとは思いますが……
保護者と仲のいい保育士さんが、タメ口だったり親しげに話していることもあるかもしれません。
しかし、それは毎日つみかさねている信頼関係があるからこそ。
「わたしも気さくにしたほうがいいのか?」と不安になったこともあるけど、敬語で損することは一度もなかった!
『まずは受けとめる』ことを意識する
相手の話は最後まで聞きましょう。
話の途中で「それは誤解です」など口をはさみたくなったときも、グッと我慢。
返答するときも、いきなり否定するのではなく、いったん受け止める言葉を選びます。
シーン別でポイントと具体例を紹介していきます。
クレーム対応時
事実を整理して、内容を確認したあとに「こういった理由があるためです」と説明したり、「詳細を確認します」と対応を伝えます。
あきらかにこちらに非がある場合はまず謝罪。
基本的には「すみません」ではなく「申し訳ございません(でした)」と受け止めます。
感情をぶつけられてしんどいときは、ただ事実を整理することに専念して聞いていました。
質疑応答時
結論から話すことは大切です。
しかし、質問に対していきなり回答すると、相手を否定してしまう場合も。
意図せず不快な印象を与えてしまいます。
まずは、共感する言葉をかけたり、質問の内容を要約。
質問内容の確認をすることで、ずれた回答をしてしまうことも防げます。
理想を押し付けることもNG。
「~すべき」という表現は控えましょう。
どうすれば解決に近づくかを一緒に考え、家庭の環境にあわせてできそうなことを提案する形でこたえます。
最後に、話のしめくくりとしてもう一度結論を言うことで、何が言いたかったのかがしっかりまとまります。
話しているうちに着地点がわからなくなっても、終わりよければすべて良し!
以上のポイントをふまえた具体的な例をご紹介します。
質疑応答の例文(回答時間約2~3分)
仕事が忙しくて、ごはんは外で買ったものばかりになります。やっぱり手作りのほうがいいのでしょうか。
「ご質問ありがとうございます。お忙しくされているのですね。毎日たいへんな思いをされていることかと思います。」(感情の受け止め)
「手作りしたほうがいいのか、ということについてお答えすると、(質問の要約)
手作りにはこだわりすぎなくても大丈夫です。ムリをしないことを優先してください。(結論)」
「手料理にはメリットもありますが、できあがりを待っている間にお子さんがおやつを食べすぎてしまったり、食べる時間がおそくなって生活リズムが乱れるケースもあります。
それに、”料理を毎日作らなきゃいけない”というストレスをかかえるのもしんどくなってしまいます。(理由)
できそうなときに時短レシピを取り入れるなど、バランスをとってくださいね。」
「お惣菜やテイクアウトでも工夫次第で栄養バランスは整えられますよ。
ポイントは3つあり、同じ商品にかたよらないこと、野菜をおぎなうこと、薄味にすることです。
同じものばかりを買わないようにし、揚げ物や肉類にかたよらないよう、カット野菜などで野菜をプラスしてみてください。
薄味にするには、ドレッシングやソースをかける量をほんの少しにしたり、煮物やおひたしは水を足してから温めて、水分を切ってから食べるなどの方法があります。(具体例)」
「添加物が気になる場合は、調理せずにすぐ食べられるものをストックしておくと便利です。
メインだけを買ってきて、あとはストック食材で品数を増やすといったことができます。
オススメの食品は、プチトマトや納豆、豆腐、チーズです。
冷凍野菜や卵もオススメです。加熱が必要ですが、使い勝手がいいですよ。(時間があれば補足)」
「まとめると、手作りはムリせず、お惣菜やテイクアウトはかたよらないようにうまく活用するのがいい。ということになります。(まとめ・結論)
回答になっていましたでしょうか。」
テンプレートのように活用してみてください
判断に困ることは持ち帰る
1人で判断できないことやわからないことは、あいまいな返事をしたりその場でこたえを出さないようにしましょう。
いったん持ち帰って回答をまとめてから、なるべく早く返事をします。
また、ぼかす表現は口グセになっていて気づかないこともあるため、チェックしてみてください。
わたしは「たぶん~と思います」が口癖だったから、「また確認してすぐお返事しますね!」と付けくわえるか、しっかり言い直すようにした。
保護者対応は、他の職員との連携が必要なことも多いです。
要望やクレームなどがあれば、担任や園長と共有しておきましょう。
勝手に判断したり、あいまいな返事をするとトラブルにつながります。
体験談をお話しすると、ある保護者から「保育園での離乳食の味をみて勉強したい」という要望をうけたことがあります。
今日の予備がまだ残っているのでもってきますね、と軽くひきうけられる状態でしたが、勝手なことをしたらダメだ、と思いとどまりました。
クラス担任に「試食してもらっても大丈夫ですか」と相談すると、「あかーーん!」と大声で言われました。笑
特別あつかいになってしまう等の理由で対応はしないことに。
「ふだんは試食を受けつけていないため、給食参観などで試食の機会がつくれるか検討します」という返事をしました。
ある保護者にだけ特別対応をしてしまうと、ほかの保護者から不満がうまれます。
あとのこともしっかり考えて行動しないといけないと感じました。
保育園ごとに方針がちがうから、確認は大切。
事前準備をしておく
あらかじめ問い合わせ内容を予測して返答を考えておくと、あせらずに対応できます。
わたしは食事のどのようなことに悩む人が多いのか、質問サイトやSNSでリサーチしていました。
”こういう問い合わせがきたらこう答えよう”とめっちゃ準備した
ちょうど予習していた内容を保護者から質問されたこともありました。
「勉強しておいてよかった!」と思ったことがかなりあります。
また、給食や食関連のニュースを日頃からチェックして、ある程度頭に入れておくことも大切。
過去に、ある施設で海苔が原因の食中毒が発生した際、同じ製造元のものを使用していないかなどの問い合わせがありました。
このときに食中毒発生自体を知らないと、「大丈夫なのかな」と不審に思われてしまうことも。
アンテナをはっておこう!
食物アレルギーなどの面談では、話すことをまとめておきましょう。
聞き取っておくことや説明しておかなければならないことが決まっている場合は、チェックリストや原稿を作っておきます。
食物アレルギーの情報は命にかかわる大切なもの。
要件をまとめたリストを作っておくと、ぬけ・もれがないようにチェックしながら面談ができました。
原稿を読むだけにならないように気をつける必要はあります。
書類や原稿をずっとみてしまいがちですが、相手の顔を見て話すことも心がけましょう。
様子をみて、「ここまでで質問はありますか」、「理解していただけましたでしょうか」など確認しながら話をすすめます。
実践で対応に慣れよう
いかがだったでしょうか。
慣れが肝心ではありますが、ご紹介したポイントをおさえて自信をつけておきましょう。
ていねいな対応を意識していると、自然に『頼れる栄養士さん』になっていきますよ。
まずは大きな声で話すことからはじめてみてください。
応援しています!