毎日お疲れさまです、管理栄養士のななたです。
この記事は、
というかた向けです。
※本記事はこちらの続きになります。
毎日の残業は精神的にも体力的にもつらいですよね。
今回は直営保育園での残業を月52時間からゼロにできたわたしの体験談をお話しします。
毎日2時間は残業していましたが、現場責任者となってから半年ほどで定時で帰れる状態へもっていきました。
実際にやったことをくわしくご紹介します。
仕事内容・環境
わたしの勤務していた保育園では調理師はおらず、職員含め約250食の給食を管理栄養士2名とパート2名で調理していました。
おやつの調理からは管理栄養士2名のみでの作業。
栄養士業務ができるのはおやつの洗浄終了後で、定時までは30分間ほどしかありません。
その時点で残っている仕事は、
- 翌日の仕込み
- 給食日誌などの帳票類の作成
- 哺乳瓶の洗浄と消毒(10本ほど)
- おやつの食器とコップの洗浄
- やかんとウォータージャグの洗浄(計15個ほど)
- アレルギー対応の書類作成
が毎日あります。
さらに
- 献立作成
- 食材発注
- 市販菓子の買い出し
- 給食だよりや食育などの資料作成
- 壁面かざりの制作
- 園内行事の相談や準備
- 保護者対応
などを並行してすすめます。
これを30分の間に終わらせろと?
さらに延長保育のおやつコップの洗浄など終業時間を過ぎてから発生する仕事が毎日ありました。
”一般的にはシフト制で遅番の人が担当する仕事”をわたしたちがやっているといった状況。
ほかの仕事をどれだけ早く終わらせても残業は必須でした。
子どもたちに癒しと元気をもらっていたからがんばれた
残業をへらすためにやったこと
まず人間関係を改善し、人員を補充してもらいました。
こちらの記事でお話ししています。
さらに作業に時間がかかる原因をみつけ、問題を解決できるように行動しました。
どのように仕事の効率や作業スピードを上げたかをお話しします。
業務内容を見直した
やるべきことを整理
まず年間行事をみて、”〇日までにこれを終わらせないといけない”というタイムリミットを整理しました。
職員の一員として、運動会や生活発表会などの行事にも準備から当日までガッツリ参加しなければなりませんでした。
給食関連の行事ももりだくさん。
親子クッキングや全学年ごとの給食参観など、毎月準備に追われます。
期日から逆算して、スケジュール帳のウィークリー欄におおまかな予定をたてておきました。
”忘れてた!”ということがないように、見通しをたてておくと安心して通常業務に集中できます。
行事は毎年あるため、スケジュール帳に詳細を記録しておけば「去年はいつぐらいから準備したっけ?」、「どんな反省があった?」と見直せます。
まず自分なりのタスク管理方法を見つけるのがオススメ!
仕事の分担を再考
タイムスケジュールを作成し、仕事内容を見なおしました。
『人員が増えたことで手放せる作業・ルーティン化できる作業・その他の作業』にふりわけ、勤務時間内でこなせるように分担。
給食の調理以降、1名は栄養士業務にとりかかれるように調整しました。
基本的には厨房での作業と事務所での作業に分けることで、自分の仕事に集中できるようになりました。
状況をみて交代したり、部下に仕事を教えつつ、自分のペースをつかみます。
結果、毎日ある程度決まった流れで作業できるようになり、だんだんスピードが上がりました。
ルーティン化して、集中と慣れの効果で5~10分は早くなった!
終業時間から逆算して定時に終わるようにした
スケジュール帳を見てやることを確認し、すぐに終わる作業からこなしていきました。
つぎに、まとまった時間で集中してこなしたい作業。
終業時間前はいつでも切り上げる心づもりでできる作業をしました。
キリのいいところまでやりたくなりますが、定時で区切り、いさぎよく次の日にまわします。
自分が集中しやすい時間をみつけるとはかどった!
納品時間を変えた
調理業務でいちばんネックとなっていたのが食材の納品時間。
冷蔵庫がちいさいため材料が入りきらず、基本的に生鮮食品は使用する当日納品でした。
交通状況によって予定時間を大幅に過ぎても納品されない時も多く、困っていたため園長に相談。
厨房機器の配置をずらしてスペースをあけ、家庭用サイズの冷蔵庫を置いてもらうことに。
前日納品の食材を増やせました。
調理がスムーズにいくことでスキマ時間が生まれ、食器やおやつの準備など、前倒しでできることも増えました。
人員補充以外で残業をゼロにできたいちばんのポイントかもしれません。
足をひっぱっている原因を排除!
出勤時間を変えた
前日納品のおかげで調理業務によゆうができたため、勤務時間を見なおしました。
わたしと部下は同じ時間に出退勤をしていましたが、園長に許可をとって”遅番”をつくりました。
1人は今までより40分おそく出勤し、1週間ごとに早番と遅番を交代する体制に。
遅番は今までより40分遅くまで残れるため、栄養士業務の時間を増やすことができました。
時間の使い方を見なおしてみると発見があるかもしれません。
パートさんの協力を得た
今までは調理作業ごとに担当がほぼ決まっており、献立によってはパートさんの手がしばらく空いていることが多々ありました。
しかし、元上司はあまり指示を出す人ではなく、パートさんから次にやることを聞かれるまでは遠慮している様子でした。
このタイムロスがもったいないと感じており、パートさんたちに話を聞くと「やることは次々指示してほしい」とのこと。
ベテランで協力的な方たちなので、お任せできるところはどんどん仕事をふっていきました。
自分の作業をしながら全体の様子を見るのはむずかしく、はじめは苦戦しました。
しかし慣れてくると臨機応変に対応でき、かなり時間短縮できるように。
ミスもしたけど、マルチタスクをこなす訓練にもなった!
パートさんにも「あなたになってから時間に追われなくてすんでるね!指示してくれるからやりやすいわ。」と褒められました。
空いた時間でおやつの調理も協力してくれるようになり、栄養士業務の時間をさらに確保できました。
いわゆるチームマネジメントを意識。
指示の出し方を工夫した
まわりの様子を見て次の指示を早めに出しました。
”次の指示が早くほしい派”の人ばかりだったから、というのもあります。かなり助けられた。
「今の作業が終わってもまだまだやることがある」、「次はこれやらなきゃ」とやることが控えている状態で全員が動くとテキパキ片づきました。
よゆうができてスキマ時間も発生。
あわせて、せかさないようにしたり”手を切らないように気をつけてくださいね”など声かけし、あせってケガにつながらないようにしました。
”これおわった~。じゃあ次何しよう?”ではワンテンポ遅くなっちゃうもんね。
全員がスピードアップできるように意識づけするのも大切
スキマ時間を活用した
給食日誌などの書類関係は調理のスキマ時間を活用。
こまごました作業はスキマ時間にサッと終わらせてしまうのがオススメです。
雑談してすこし休憩する日もありました。
厨房が高温多湿になりがちだったため休むことも重要でした。
メリハリがあると気持ち的にもラクだし、リフレッシュしてがんばれる!
作業効率を上げて時間の使い方をきりつめた
”どうすればやりやすくなるか、事故なくスピードアップできるか”を試行錯誤しました。
調理開始までの作業はルーティン化した
調理台の拭きあげや水質検査などを毎日決まった流れで行うことで、動きが最適化されて、素早くていねいにできるようになった。
作業スペースを広くした
シンクに置いて使える台をつくってもらいました。
既製品は買ってもらえなかったため、机の天板になるような板で代用しました。
板を置くことでシンクが調理台に!
厨房がせまく、場所が空くまで別の作業をしていたのですが、待たずにできるようになり効率アップ。
動線を考え、ムダな移動をなくした
やることを整理し、頭の中で作業動線を考えて行動しました。
炊飯器のスイッチを押すついでに、離乳食の鍋の様子を見て、盛りつける食器を出そう
事務作業でも効率のいい移動を意識。
厨房と事務所と職員室が離れた位置にあったため、移動だけでも時間がかかっていました。
後回しにしてもいい”ついでの作業”をためておき、効率のいいルートを考えて動きました。
職員室に行くついでに2階に行って画用紙もらって、食育の掲示物も回収してこよう。
献立作成を効率化した
1人は献立作成、もう1人はチェックと分担し、献立を考える手順も決めておきました。
行事などの関係でサイクルメニューは機能しないため、決まりやすいところから埋めていきます。
- 行事の日など献立が決まっているところを埋める
(外部講師の来る日は食べやすいカレーにする、などルールがありました。) - 園の畑で大量に季節ごとの野菜がとれるため、腐らないうちに消費できるような献立を入れる
- 曜日が決まっている麺類・魚類メインの献立を埋める
2ヶ月間の献立がかぶっていないかチェックしやすいよう、一覧表にして書き出しておきました。 - そのほかの献立は食材や味、調理方法のバランスを見ながらパズルのようにうめていく
- ある程度決まったところでもう一人の管理栄養士がチェック
新メニューや行事食については案を持ちよって話しあいます。
とりいれられそうな献立はないか、ふだんからアンテナをはっておくとアイデアが出やすくなります。
パソコンスキルを活用した
献立作成をパソコン上でするようにしました。
今までは上司と2人で相談しながらの献立作成で、コピー用紙にカレンダーを書いて考えていました。
そして完成後パソコンに入力、といった流れだったため、はじめからパソコンに入力しました。
今までが効率悪すぎた……
変えられるところはどんどん変えていった!
エクセルのマクロ機能を使うことで、献立ソフトから出力された献立表を配布用の形にする作業が自動化。
マクロは見よう見まねでしたが、ちゃんと動いてくれて、面倒な作業が一瞬でおわるようになりました。
こまかい部分では、ショートカットキーなどを駆使して時短。
”こういうことができたらいいのに”という気づきを大切にして、調べてみることをオススメします。
残業ゼロの先には……?
時間はかかりましたが、人員補充と作業改善で毎日定時で帰れるようになりました!
しかし、これだけではおわれません。笑
新たなミッション
人員補充してもらったからには定時帰宅は当然。
さらに”新メニューや食育が増えた”などの『目に見えるかたち』で成果をだす必要がありました。
仕事がラクにはならず。社会はきびしいです。
「ちゃんと今までになかったことをやってるよ~」とアピールしたため、無事まわりからの評価も上がりました。
プライベートでは
退勤後は自分の時間がじゅうぶん取れるようになり、世界が変わりました。
帰ったらお風呂と寝るだけの生活から解放され、”やっと人間らしい生活ができている”という気持ちでいっぱいでした。
職場環境を変えるには大変なこともたくさんありましたが、頑張ってよかったです。
仕事→買い物→自炊の流れができるようになったし、たまってたアニメもまとめて消化できた!
残業ゼロへの道はまずは状況整理から!
いかがだったでしょうか。
わたしの場合は、人員補充や自由に動ける責任者になったことが大きかったですが、すべてひとりの力でできたわけではありません。
「状況を整理して、残業の原因を見つけ、改善していく」と言葉ではカンタンですが、なかなかうまくいかないもの。
ひとりで悩まず相談し、厨房メンバーなどの全員で目標を共有してできることからやっていきましょう。
あなたの健康が第一です。限界がくる前に休むことだけは忘れないでくださいね。
応援しています!