- 栄養補助食品が甘いと食べてくれない……
- 甘くない食べやすいものはないの?

こんにちは、管理栄養士のななたです。
栄養補助食品は、食がほそい高齢者の強い味方です。
しかし、甘い味の商品が多いため、苦手な方は困ってしまいますよね。
そこで今回は甘くない栄養補助食品をご紹介します。
どの栄養素をとる?どれくらい食べたらいい?など気になるQ&Aもまとめています。

ふだんの食事とあわせてうまく活用してくださいね。
甘くない栄養補助食品はどんなタイプがある?
高齢者向けの甘くない栄養補助食品は、おもに3つのタイプがあります。

サプリメントや、高齢者には食べづらいブロックタイプのバランス栄養食、シリアルバー、ウエハースなどは除外しています。
タイプ別に特徴やおすすめ商品をくわしく解説していきます。

おすすめは、手軽にバランスよく栄養がとれるドリンクタイプです。
ドリンクタイプ

甘くない味は少ないですが、幅広い栄養素がバランスよくとれる商品が多いのが特徴です。
おすすめな人 | 液体がむせなく飲める方 |
使い勝手 | ストローをさすだけで手軽 |
1食あたりの コスト | 200円前後 |
栄養面 | 幅広い栄養がとれる商品が多い |
メリット | 洗い物が出ない |
デメリット | 甘くない商品は少ない |
内容量は1本125mlのものが多いです。
コップ1杯より少ない量ですが、水と比べるとトロっとした濃厚な飲み口のため、「一度で飲みきるのは大変」という方もいます。
食後とおやつに分けて飲むなど、飲みやすいタイミングですこしずつ飲んでもらいましょう。
甘くない商品
代表的な商品は以下のとおり。

- メイバランスMiniカップ
ミルクテイスト コーンスープ味
【Amazonで見る】 - アイソカル100
ポテトスープ味
コーンスープ味
【Amazonで見る】 - テルミールミニSoup
クリームシチュー味
トマトスープ味
和風鰹だし味
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以下の味は、香りのおかげで甘さがひかえめに感じられますよ。
- お茶系の味:
抹茶味・麦茶味など - スープ系の味:
コーンスープ味、ポテトスープ味など - コーヒー味

甘いものが苦手な人向けにつくられていることが多いです。
おすすめは?
ドリンクタイプで迷ったときは、メイバランスMiniカップミルクテイスト『コーンスープ味』がおすすめです。
いちばんの理由は、おいしさと栄養バランスの良さ。
コーンの粒はなく、口あたりはサラッとしていますが、自然なコーンスープの味です。

おいしい!と感動した。容器をうつしかえれば、栄養補助食品とわからないくらいです。
6大栄養素がバランスよくふくまれており、”コスパ”もいいですよ。
メイバランスシリーズについては、メイバランスは何種類?ちがいや味は?管理栄養士がまとめてみたでくわしくご紹介しています。
エネルギー | 200kcal |
たんぱく質 | 7.5g |
脂質 | 5.6g |
炭水化物 | 31.8g |
-糖質 | 29.3g |
-食物繊維 | 2.5g |
亜鉛 | 2.0mg |
鉄 | 1.5mg |
ビタミンA | 120μg |
ビタミンB1 | 0.3mg |
ビタミンB2 | 0.4mg |
ビタミンB6 | 0.6mg |
ビタミンB12 | 1.2μg |
ビタミンC | 100mg |
ビタミンD | 1.2μg |
ビタミンE | 6.0mg |
ビタミンK | 18.8μg |
葉酸 | 60μg |
食塩相当量 | 0.33g |
たんぱく質が付加された粉末のコーンスープ商品もありますが、塩分が高め。
同じコーンスープなら、6大栄養素がまとめてとれるメイバランスをおすすめします。
甘さをおさえる工夫

『メイバランス』や『エンジョイクリミール』など、ミルク味がベースの商品は牛乳と1:1程度で割ることで、おいしく甘さをおさえられます。
量は増えてしまいますが、「うすめてちょうどいいくらい」というレビューも見かけます。
そのままではかなり濃厚な飲み口も、牛乳で割ることでサラッとのどを通りやすくなりますよ。
他の食材とともにミキサーにかけてスムージーにすると、ビタミンやたんぱく質がさらにアップします。
- フルーツ
- 野菜
- 牛乳
- 豆乳
- 無糖ヨーグルト
- きな粉

誤嚥が心配な方はゼリー・プリンタイプをご検討ください。
ゼリー・プリンタイプ

とれる栄養素は限られますが、甘くないおかず系の商品が豊富です。
商品名に『ゼリー』とついていても、食感はみずみずしいものから”もったり”した重めのものまであります。
おすすめな人 | 飲み込む力がよわい方 |
使い勝手 | 1食分の個包装タイプが手軽 |
1食あたりの コスト | 200円前後 内容量によって安いものもある |
栄養面 | 内容量が少ないぶん とれる栄養量は少なめ |
メリット | 甘くない味が豊富 食べやすいサイズの商品が多い |
デメリット | おかず系の味は 見た目で食欲がわかないこともある |
内容量は幅広く、2口ほどで食べられるものから、ようかんのように包丁で切り分けて食べる商品もあります。
見た目がプリン状のため、煮魚や肉じゃがの味では「食べる気にならない」という方もいます。
茶碗蒸しや豆腐などの見た目が近い商品は、抵抗なく食べられることもありますよ。
甘くない商品
代表的な商品のうち、グラムあたりのエネルギー・たんぱく質の量が比較的多いものをピックアップしました。
デザート系

MCT(中鎖脂肪酸油)とは:
一般的な植物油とくらべて4倍ほど早く分解・吸収されます。
「油はひかえるべき」と思われがちですが、MCTはすみやかにエネルギーになり消費されるため、体内に蓄積されにくい油です。
- エネプリンプロテインプラス
抹茶味
コーヒー味
ポテトサラダ味
豆腐味
このほかの味も、全体的に甘さがひかえめです。
食感はかなり”もったり”しています。
【Amazonで見る】 - エンジョイMCTゼリー200
あずき味
コーヒー味やコーンクリーム味も甘さがひかえめですが、わたしはあずき味のほうが甘くないように感じました。
食感は少しベタつくかんじがありました。
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おかず系
おかず系の商品は基本的に甘さはありません。
種類が多いため、鉄・亜鉛もまとめてとれる商品をピックアップ。

味のラインナップは以下のとおりです。
- トウフィール
トウフィール
ごまトウフィール
トウフィール うまみだし味
内容量が多く、切り分けて食べる商品です。
【Amazonで見る】 - やわらかカップ[栄養機能食品シリーズ]
ブラウンシチュー風味
カレー風味
エビチリ風味
MCT配合でカルシウムも豊富。
【楽天で見る】 - 豆腐よせ
えび
かに
ささみ
さけ
低脂質でエネルギーは多くありませんが、少量で鉄・亜鉛・カルシウム入り。
【楽天で見る】
おすすめは?
プリンタイプのオススメは、『エネプリンプロテインプラス』抹茶味。
「すこしの量でたくさん栄養をとりたい」という方におすすめです。
容器がかなり薄く、1個40g(ティースプーン約6杯分)と少量。
もったりした食感のプリンですが、食の細い方にもムリなく食べられるサイズです。

エネルギーは1個160Kcal。
カップデザートの中でもトップクラスのエネルギー密度(4Kcal/g)となっています。
日本災害食の認定も受けている商品です。
日本災害食とは:
災害食のうち、災害時に役立ち、日常でも積極的に利用可能な加工食品について、日本災害食学会が示す「日本災害食 認証基準」を満たしている食品。
参考リンク 一般社団法人日本災害食学会|日本災害食

わたしは抹茶味がいちばん食べやすいと感じました。
エネルギー | 160kcal |
たんぱく質 | 3.5g |
脂質 | 16.0g |
炭水化物 | 1.3g |
-糖質 | 0.9g |
-食物繊維 | 0.4g |
食塩相当量 | 0.04g |
甘さをおさえる工夫

甘いデザートタイプの商品は、フルーツといっしょにゼリーポンチにして食べると、「フルーツの酸味でおいしく食べられた」という方もいます。
プリン状の商品は、容器の中でよくまぜ、とろとろにしてからヨーグルトにまぜるとサッパリと食べられます。
牛乳や豆乳ともよく合うため、いっしょに食べると口に残る甘さがおさえられますよ。
プレーン(ミルク)味は、お粥にまぜるとやさしい甘さのミルク粥になります。
バナナ味やかぼちゃ味など、もともと甘みのある味は抵抗なく食べられることも。
凍らせてもOKな商品は、2時間ほど冷凍庫に入れておくとアイスのようになり、甘ったるさを感じにくくなります。

ドリンクタイプ、ゼリー・プリンタイプが口に合わないという方は、食事に混ぜるタイプをご検討ください。
食事にまぜるタイプ

無味・無臭の商品が多く、料理や飲み物にまぜて使用します。
- 粉状
- 液状
- ペースト状
といった形態があります。

ドリンクやゼリータイプが口にあわなかった方でも、抵抗なく使用できますよ。
おすすめな人 | 栄養補助食品の味や食感に 抵抗がある方 |
使い勝手 | コツがいることもある |
1食あたりの コスト | 60円前後 |
栄養面 | エネルギーやたんぱく質の 補給がメイン |
メリット | 食べる量や味を変えることなく 栄養アップできる |
デメリット | 見た目の色や味の変化に 敏感な方には向かない |
エネルギーやたんぱく質のみを補給できる商品が多いため、そのほかの栄養素は、別の栄養補助食品や食事からとる必要があります。
甘くない商品
病院や施設で利用されている、実績のある商品をピックアップしました。
エネルギー補給がメインの商品

- 少量でたくさんのエネルギーがとれる。
- 食べ物や飲み物にまぜると見た目が白くなるものが多い。
ヨーグルトやポタージュスープなど、色が白っぽいものに使うと違和感が少なくなります。 - 多量にとりすぎると胃もたれや下痢をおこしてしまうことがある。
はじめはようすをみながら少量ずつためしてみてください。
直接飲まずに、食べ物や飲み物にまぜてとりましょう。
- 日清MCTオイル
量を調整しやすいボトルタイプと、持ち運びに便利な小袋タイプがあります。
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『MCTオイル』は、中鎖脂肪酸100%。
パウダータイプの『MCTパウダー』もありますが、中鎖脂肪酸75%に加えて、糖質を25%含みます。
一般的な植物油とくらべて、4倍ほど早く分解・吸収される油です。
「油はひかえるべき」と思われがちですが、MCTはすみやかにエネルギーになるため、消費されやすく体内に蓄積されにくいメリットがあります。
サラッとした油で、料理の味を変えずに効率よくエネルギー補給ができます。
参考:https://www.nisshin-oillio.com/mct/health/
- エナップ100
個包装タイプのみ。
卵黄レシチンの乳化作用により、まざりやすく油浮きがおさえられています。
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病院・施設用商品のため、店頭では売られていません。
- 粉飴
主成分はでんぷんで、油脂ほどエネルギーは高くありませんが、料理の見た目が変わらず使いやすいです。
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粉飴は、でんぷんを主成分にしてつくられたエネルギー補給用の食品です。
砂糖と同じエネルギーがありますが、砂糖よりも血糖値があがりにくくなっています。
甘さは砂糖の8分の1ほどにおさえられており、料理の味に影響しにくいです。
たんぱく質、脂質ともに0gなうえ、ナトリウム、カリウム、リンもほとんど含みません。
参考:https://www.hb-life.jp/products/p_konaame.html
たんぱく質とエネルギーがとれる商品

3品とも、食べ物や飲み物にまぜると見た目が白っぽくなる点には注意が必要です。
また、主成分によって乳成分や卵のような風味を感じることもあります。
使う量を調整したり、いろいろな物にためして、口にあうものを探してみてください。

使い方のコツをつかむと、かなり便利に栄養補給ができます。
おすすめは?
効率よくエネルギーを補給するならMCTオイル、
たんぱく質やカルシウムをとりたい方はメイプロテインがおすすめ。
MCTは、10年以上前から医療や介護の現場でも使用されています。
料理の味を変えずに、効率よくエネルギー補給ができますよ。
メイプロテインのおすすめポイントは、カルシウム・鉄・亜鉛といった栄養素もまとめてとれるところ。
エネルギー量はMCTより少ないですが、卵1.5個分ほどのたんぱく質がとれます。

熱いものに入れるとダマになるため、あるていど冷ます必要があります。ヨーグルトに入れると違和感なく食べやすかったですよ。
気になるQ&A
どの栄養素をとればいいかわからない!どれがいちばん大事なの?
「これがいちばん大事!」とは言い切れませんが、高齢者の低栄養防止にはエネルギー(カロリー)とたんぱく質の摂取がキホンです。
よく車にたとえられますが、エネルギーは『車をうごかすためのガソリン』、たんぱく質は『エンジンや車体をくみたてる材料』ようなものです。

エネルギーが足りていない低栄養状態になると、生きるためのエネルギーを確保しようと、筋肉などがこわされてしまいます。
やせてしまい、大きな事故や病気にもつながりやすくなります。

すこしでも身体がこわされないように、エネルギーとたんぱく質は十分おぎなっておきたいですね。
「栄養補助食品を食べてるから大丈夫」と頼りきらず、食事から栄養をとるように心がけることも大切です。
参考 高齢者の食事バランスガイド | 農林水産省
栄養補助食品の選び方は?
優先したい栄養素や目的にあわせて選んでください。
例:
そのほかの検討材料としては、
- 食べる力にあわせた形態
- 味のレパートリー
- 予算
などがあります。
低栄養や持病で不安のある方は、医師や栄養士にご相談ください。
参考リンク 栄養ケア・ステーションとは|日本栄養士会

状況に合わせた食事の工夫など、アドバイスがもらえますよ。
栄養補助食品は1日にどれくらいとればいいの?目安は?

商品に書かれている目安量や使用上の注意を確認してください。
食事量や体調によって調整することも大切です。
栄養補助食品は「たくさん食べるほど良い」というわけではありません。
安全に食べて元気でいるために、商品の注意書きはすべて目をとおしてくださいね。
MCTオイルや高カロリープリンは、油を多くとることになるため、胃もたれや下痢の原因になることもあります。
体質やその日の食事量にあわせて量を調節することも大切です。

目安量としては、1日あたり1~3個(本)ほどの商品が多いです。
元気のきほんは食べること!栄養補助食品はうまく活用しよう
違和感の少ないスープ味や食事に混ぜるタイプの栄養補助食品は、甘いものが苦手な方もムリなく食べられます。
かむ・飲みこむといった食べる力や消化機能をおとろえさせないためにも、
- 食欲がもどってきた
- 好きなものなら食べられる
というときは、可能な範囲で食事から栄養をとってくださいね。