こんにちは、管理栄養士のななたです。
食品成分表は改定されるにつれ、どんどん掲載数がふえています。
正確な数値を知れるのはいいのですが、
と困ることもありますよね。
今回は『白菜』についてサクッとまとめました。
『白菜』と『長崎白菜』の違いは?
それぞれに『生』と『ゆで』の記載があります。
献立表に記載されている原材料の重量はおもに生の重さです。
栄養価計算も、生の重さをあつかうことが多いです。
しかし、成分表にはゆで・焼きなど、調理後の成分値の記載がある食品もあります。
調理後の成分値をつかうと、食べる状態に”より近い値”がわかります。
例:ほうれん草をゆでて食べる場合
ほうれん草「ゆで」は、
<ゆで→湯切り→水でさます→手でしぼる>
という手順をふんだ場合の成分値です。
※どのような調理方法で算出された成分値かは、文部科学省のサイトなどで確認できます。
ほうれん草の場合は、鉄やカリウム・水溶性ビタミンなどが、加熱や水に溶けることで減っています。
調理後の成分値をつかう場合、重量変化率に注意して計算する必要があります。
重量変化率は文部科学省のサイトなどで確認できます。
例:生のほうれん草100gをゆでて食べる場合
ほうれん草「ゆで」の重量変化率は70%。
生のほうれん草100gをゆでると、ゆでた後のほうれん草は70ℊになります。
式:100g×70%(0.7)=70g
↓
ほうれん草「生」の場合は100gで計算しますが、
ほうれん草 「ゆで」の場合は70gで計算することになります。
野菜は加熱すると水分が出て、軽くなる!
乾物は、いちど水でもどすため、水分をふくんで重くなります。
例:切干大根の場合
「ゆで」の重量変化率は560%。
乾いた状態の切干大根10gを水でもどしてからゆでる場合、ゆでた後の切干大根は56gになります。
式:10g×560%(5.6)=56g
結球(けっきゅう)ってなに?
結球(けっきゅう):
葉が重なって巻かれ、球状になること。
ほうれん草、小松菜など、葉が巻かない葉菜類は、「非結球野菜」に分類され、
白菜、キャベツ、レタスなどは「結球野菜」に分類されます。
長崎白菜は頭部の巻きがゆるく、広がっているため半結球種と呼ばれます。
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/kekkyu1407.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016xfz.html
長崎白菜は緑黄色野菜!
白菜は単色野菜であるのに対して、長崎白菜は緑黄色野菜に分類されます。
原則として可食部100g当たりβカロテン当量が600μg以上のものとし、ただし、βカロテン当量が600μg未満であっても、トマト、ピーマンなど一部の野菜については、摂取量及び摂取頻度等を勘案の上設定しているものである。
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6109&dataType=1&pageNo=1
主な成分を比較してみると、長崎白菜はβカロテンはもちろん、カルシウムや鉄、葉酸も多いことがわかります。
βカロテンは「白菜なのにバグか??」と思う数値でした
はくさい/結球葉 | ながさきはくさい | |
エネルギー(Kcal) | 13 | 12 |
たんぱく質(g) | 0.8 | 1.3 |
脂質(g) | 0.1 | 0.1 |
ナトリウム(mg) | 6 | 21 |
カリウム(mg) | 220 | 300 |
カルシウム(mg) | 43 | 140 |
リン(mg) | 33 | 37 |
鉄(mg) | 0.3 | 2.3 |
亜鉛(mg) | 0.2 | 0.3 |
ビタミンB1(mg) | 0.03 | 0.05 |
ビタミンB2(mg) | 0.03 | 0.13 |
ビタミンB6(mg) | 0.09 | 0.14 |
ビタミンC(mg) | 19 | 88 |
βカロテン当量(μg) | 99 | 1900 |
葉酸(μg) | 61 | 150 |
ピックアップした成分値のみ載せています
白菜の黒い斑点『ゴマ症』どうする?
白菜の葉や芯の部分にみられる黒い斑点。
病気や虫食いあとではなく、白菜自体の生理反応によってできたポリフェノールによるものです。
発生の原因は、
- 栽培時や収穫後の高温・低温
- 多すぎる肥料による栄養過多
などがあります。
ゴマ症のある白菜を食べても問題はありません。
しかし、ものによってはゾッとするような、あまりにもひどい部分もあったりします。
見た目から食べるのをとまどう方もいます。
提供する場合、栄養士として心理的な影響を考える必要はあるな、と感じます。
わたしは、ゴマ症のある部分は原材料の保存食にしたり、調理後はミキサー食や栄養士の検食(味見)用にしています。
保育園で勤務していたときは、原材料の保存食にしたり、こまかく切っていました。
白菜をテーマに食育もしていました。
「黒い点々は、白菜が身を守ろうとした証だよ。よごれや病気じゃないから安心してね。」と声かけしました。
食品の価格高騰も止まらないから、無駄なく使い切りたいですね。
成分表を使いこなそう!
掲載数が多い食品の場合は、「どれを使えばいいんだろう」と迷うこともありますよね。
わたしもよく使う食品以外はまだまだ勉強不足なことが多いです。(とくに魚介類……笑)
つまづいたらすぐに調べて知識を身につけることで、使いこなせるようになっていきますよ。
みんなに認められる『栄養のプロ』になれます!