こんにちは、管理栄養士のななたです。
今回は、このようなお悩みがある方向けの記事です。
行事食での演出アイデアと、わたしが勤務していた保育園での体験談をご紹介します。
子どもたちも楽しみにしている行事食は、喜ばれるものにしたいですよね。
そのためには献立だけでなく、食べる環境をととのえることも大切です。
楽しい雰囲気のなかで食べる食事は、よりおいしくかんじるもの。
ぜひ演出をとり入れて行事食を盛り上げましょう!
献立作成のコツはこちらでまとめています。
行事食の予告をする
行事の名前、日にち、献立などを告知します。
当日が待ち遠しくなるような演出です。
さまざまな告知方法があるため、できそうなものを取り入れてみてください。
告知する献立名はぜひこだわって考えましょう。より期待感が高まります。
配布形式
事前におたよりなどを配ります。
パソコンやスマホで作って印刷するだけのお手軽な方法です。
Canvaなどのテンプレートが豊富なアプリを利用すると、文字を入力するだけでクオリティの高いものができますよ。
招待状やチケットのようなかたちにするとワクワク感が高まります。
1月のお誕生日給食は雪だるま型のカードにするなど、行事や季節にちなんだ形にしてもかわいいです。
なくさないように当日の朝に配ってもらっていました。
貼り出し形式
お部屋や掲示板に貼り出す方法。
ひとりずつに配布するより印刷枚数は少なくすみますが、見てもらうには工夫が必要です。
わたしは掲示板に貼るときは以下のような工夫をしていました。
毎回楽しみにしてくださっている保護者の方もいました。
設置形式
入り口にカフェのようにメニューを設置する方法。
ランチルームで食事をする場合などに有効で、部屋に入る期待感が高まります。
予告とは少しちがうかもしれませんが、レストランのような雰囲気が出せます。
部屋をかざりつける
ランチルーム等で食事をする場合、部屋をかざりつけて楽しい雰囲気をだします。
部屋に入った瞬間、「わぁ~!」とテンションがあがります。
部屋のかざりつけとはすこしちがいますが、ランチルームに給食で使っている食材を展示すると、興味をもって楽しそうに食べてくれました。
夏野菜カレーを提供した際にトマト、なす、ズッキーニを展示し、カレーに入っていることを説明。
すると、野菜をさがしながらカレーを食べる楽しそうな声がランチルームに響いていました。
テーブルコーディネートをする
テーブルの上を飾りつけることによって季節感や特別感をだせます。
部屋の飾りつけには無反応だった子も、目の前のものにはリアクションしてくれていました。
テーブルクロスを敷く
布を1枚敷くだけで印象がガラッと変わります。
洗ってくり返し使えるため便利です。
出したい雰囲気にあわせて布の色や素材を選びましょう。
サテンなどのつややかな素材を使うことでも高級感が出せますが、すべりやすく、汚れも落としにくいため注意が必要です。
ランチョンマットを敷く
布ではなく、ペーパーランチョンマットにすると低コストでできます。
わたしはコピー用紙に模様やイラストを印刷したものを、トレーに敷いていました。
ハンバーガー屋さんのイートインでよくある方式
行事や季節にあわせたフリー素材もたくさんあるため、手軽にできますよ。
ペーパーアイテムを使う
ちよがみや色画用紙、レースペーパー、ラッピングペーパーなどでかざりつけます。
ペーパーアイテムはサイズや柄などの種類が豊富にあり、好きな形に切って使えるため便利です。
季節や行事にあわせて柄や色を選ぶと、グッと雰囲気がでますよ。
使い道もたくさん!
- コースターのように食器の下に敷く
- 敷き紙として使う
わたしはお皿にちよがみを乗せて、その上にカップケーキを置いたりしました。 - スタンドを作って食器にはさむ
- 料理のかざりつけに使う
色画用紙で葉っぱを作り、あじさいゼリーのカップの下に敷いたりしました。
カードを作る
- メッセージカード
行事名やメッセージを書いたカードを給食につけます。
フリー素材を利用すればカンタンに作れますよ。
こだわれる場合は、とびだす仕掛けやキラキラのシールなどがあると喜ばれます。
春はさくら型など季節にあわせて制作するのもかわいいです。
人数分の用意が大変な場合は、卓上POPとして机に1つずつ設置したり。
- ネームカード
紙に園児の名前やグループ名を書き、折りまげてテーブルに立てます。
ネームカードの場所に着席してもらうことで、”自分のために用意された席と食事だ”と感じ、うれしい気持ちに。
BGMを流す
飲食店のようにBGMを利用して雰囲気を出します。
環境によってむずかしいこともありますが、夏祭り給食での祭りばやし、ビュッフェ給食での優雅な音楽など行事に合わせると効果は抜群です。
食事に集中できるように音量は控えめにしましょう。
給食の前におはなしをする
給食を食べる前に、給食についてひとことおはなしをする演出です。
レストランのシェフが食材や料理の説明してくれると食べるのが楽しみになりますよね。
保育園では行事や食材に興味をもってもらうことで食育につながります。
おはなしをすることで、楽しそうに味わって食べてくれましたよ。
保育士さんに相談して食事時間に響かないよう短時間でおさめましょう。
わたしは1分以内で話していました。
おはなしの内容の例
- 行事や献立について
行事と食事がむすびつく説明をしました。
「今日は何の日でしょうか?」→『こどもの日』
「ごはんは何の形をしてるかわかるかな?」→『こいのぼり』 - 名前あてクイズ
食材の名前を答えてもらいます。
「ごはんに入ってる黄色いものなんだ?」→『くり』
「さつまいも!」と答える子が多かったですが、名前を教えると「先生!くり食べるから見てて~!」と覚えてくれました。
- 旬の説明
「食べものには”旬”といって、今が一番おいしいよ~という時期があります。」
「サラダに入っているトマトは夏が”旬”です。おうちの人にも教えてあげてね。」 - おやさい探し
野菜がどこに入っているか見つけてもらいます。
「きゅうりがどこにかくれているか見つけてね。」→『サラダ』
保育園に畑があったため、取れた野菜を紹介して給食のどこに入っているかさがしてもらいました。
外国の料理や郷土料理の日は、ごはんに国旗のピックをさしたり、地図にしるしをつけたりしておはなししていました。
体験を取り入れる
食べる前に自分の食事に対して”見る・行動するなどの体験”をすることで、食べることに意識が向き満足感がアップします。
限られた時間内でできそうなことを考えます。
クラス担任や調理の担当者などと相談して楽しい演出を計画しましょう。
保育園での体験談
5歳児クラスのおとまり保育でのこと。
保育士さんから「今回のおとまり保育のテーマは△△(人気アニメ)にするから食事もあわせてほしい」と提案がありました。
献立を考えるのに必死になっていましたが、保育士さんが「これをつけながら献立の説明をしたらどう!?」とわたしたちの分までキャラクターのお面を作ってくれました。
それなら「ランチルームや食器も雰囲気があったほうがもっとよくなる」と思い、かざりつけも計画。
実行した演出
- 看板を設置
ランチルーム入り口に『△△レストラン』の看板をたてました。 - 使い捨てのランチョンマットを作成
コピー用紙に画像を印刷してトレーにしきました。
持って帰ってくれる子どもが多かったです。 - キャラスタンドを作成
食器に画用紙で作ったスタンドをさしこみました。
画用紙に印刷して裁断機でカット→折って食器にはさむと完成。
使う食器はそのままにカンタンに雰囲気が出たのでオススメです。 - スプーンカバーを作成
スプーンの柄に、画用紙でつくったキャラクターのカバーをつけました。 - テーブルクロスをしいた
バイキング給食の時に購入したテーブルクロスを再利用しました。
雰囲気がガラッと変わりますよ。 - 照明の演出
ランチルームの電気を消し、入り口に電飾をつけて光らせます。
子どもたちが来たら部屋の電気がついて出迎える、という演出をしました。 - キャラクターのお面をつけて献立を説明
保育士の先生が作ってくれました。
やってみた結果
子どもたちのリアクションは上々で、口々に飾りつけの感想を言っていました。
照明の演出については、まだ外が明るかったためあまり効果はありませんでした。笑
献立の説明をすることで、何のキャラクターを表現しているかがしっかり伝わり、おかわりもたくさんしてくれました。
保育士さんからも「盛り上がった、いろいろ考えてくれてありがとう!」と喜ばれ大成功。
楽しい給食の時間になりました。
大変だったけどがんばってよかった!
気づいたこと
テーマがあると考えやすい
今回はテーマがしっかりしていたことで、献立や演出のアイデアが出やすかったです。
着想を得られるものがあると考えやすくなると気づきました。
時間に余裕があるとより良くできる
色々なことができたのは準備期間が長かったからこそ。
お泊り保育というおおきなイベントのため、約4か月前から準備がはじまります。
そのためゆっくりアイデア出しができ、看板などの制作も合間をぬってムリなくできました。
早めに少しずつするのがよかった!
演出をとりいれて行事食を楽しんでもらおう!
いかがだったでしょうか。
お子様ランチの旗のように、たったひとつのことでもワクワク感や特別感が出せます。
まずはできそうなことから取り組んで、食べる人に喜んでもらいましょう。
いきづまったらまたこの記事を見なおしてもらえるとうれしいです!
献立作成のコツをまとめた記事もぜひ参考にしてみてください。