栄養士に関連する資格として身近な調理師。
調理現場で勤務している場合、「調理師も取っておくべき?」という疑問がでてくることもありますよね。
そこで今回は、
- (管理)栄養士だけど、調理師免許も取ったほうがいいの?
- 勉強しなくても合格できるってホント?
など、調理師免許についての疑問をわたしの体験談をもとに解説します。
わたしは管理栄養士として調理現場で働き、2年後に調理師を取得しました。
資格を取ろうか悩んでいるかたの参考になれば幸いです。
キャリアにお悩みの方は転職エージェントの利用をおすすめします。
調理師免許を取ることになった経緯は?
せっかくだから調理師もとったろ!というノリでした
わたしは学校卒業後、保育園に就職し約250食の給食やおやつをつくっていました。
調理師はおらず、管理栄養士2名で調理と栄養士の仕事を兼務。
1日のほとんどが調理業務で、もう栄養士じゃなくて調理師じゃん!とぐち言ってた。
この会話がきっかけで調理師免許について調べ、”2年間の実務経験と筆記試験で取得できる”と知りました。
働き始めてちょうど2年がたっていたので、「資格は無いよりはあったほうがいい、取れるものは取っておこう」と思い受験。
過去問を見て、難易度もそれほど高くないように思えたのが決め手でした。
調理師免許の取得条件などは調理師試験について – 調理技術技能センター (chouri-ggc.or.jp)を確認してください。
取ってよかった?デメリットはある?
わたしは今までに3回転職しましたが、働くために調理師免許が必要になることは一度もありませんでした。
しかし個人的には、ムダにはならなかったと感じています。
取ってよかった点
取ってよかったなと思う点は以下のとおり。
調理の仕事はつらいこともたくさんありましたが、続けたからこそ取得できた資格です。
試験に合格して自分の調理師免許証が届いたときは、今までのがんばりが認められたような気持ちになりました。
また、転職の面接時にすこしでも自信につながるものがあると心強かったです。
『経験者優遇』の求人が多く、調理経験の根拠となる資格があると、緊張しやすいわたしでも自己アピールしやすかったです。
精神面でのメリットはほんと大きかった!
調理師は知名度も高いため、飲み会などで「管理栄養士をしています」よりも「調理師も持っています」と言ったときのほうが評価されることが多かったです。笑
デメリットだと感じる点
栄養士採用の場合、調理師の資格手当は望み薄
免許取得にはお金や時間がかかるため、資格を使わなければやはり”もったいない”と感じます。
かかる金額は都道府県によって変わりますが、
令和5年の東京都の場合:
受験料6,400円+切手(654円ほど)+封筒や写真代、試験会場への交通費など
さらに本籍地や名前が変われば訂正の手続きがあります。
手数料3,200円+切手(570円)+封筒代が必要。
わたしは今までで12,000円くらいかけたことになります
ですが求人を見る限り、栄養士の資格手当に調理師分も加算されるところはほぼ無いです。
資格手当があればとる価値あるなーって感じるけど……
結局資格だけ持っていても仕方ない!
経験をつんで技術をみがいていくことが賃金アップに必要なんだよね。
手料理をふるまうときなどにハードルが上がる
調理師をもっていると話すと『何でもおいしく作れる料理上手だ』とイメージされることが多かったです。
給食の大量調理とレストランや料亭の料理はまったく別のものと言っていいほど。なので期待されると困りました。笑
『家庭料理も身につけなきゃな』と自炊の頻度が上がったきっかけになったため、結果的にはよかったのかもしれません。
調理師免許が必要になる時はいつ?
求人の募集要項で、”調理師免許必須”の記載があるところに応募するとき
しかし、「経験があればOK」や「栄養士があればOK」という場合もあるため、問い合わせてみることをオススメします。
わたしの体感ですが、”あればなお良し”ってかんじが多かった。
営業許可申請には『食品衛生責任者』が必要になります。
調理師や栄養士などの免許を持っていると、講習を受けなくても『食品衛生責任者』になれます。
持っていない場合は、講習を受けることで『食品衛生責任者』になれます。
参考リンク 食品衛生責任者について|一般社団法人東京都食品衛生協会 (toshoku.or.jp)
調理師じゃなくてもお店をひらける!
試験内容はカンタン?勉強方法は?
試験内容
- 公衆衛生学
- 食品学
- 栄養学
- 食品衛生学
- 調理理論
- 食文化概論
の6科目です。全60問、すべて4択のマークシート式。
科目は管理栄養士の試験とほぼかぶっています。
「管理栄養士なら勉強しなくても受かる」とイメージされるのも納得……
しかし対策は必要です。
原則として全科目の合計得点が満点の6割以上であるものを合格とします。
https://chouri-ggc.or.jp/chourishishiken/all_delegation/
ただし、1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合は不合格とします。
このように、すべての科目をまんべんなくマスターしておく必要があります。
後悔しないように準備しておこう。
不合格になったらお金も時間ももったいないよね……
わたしの勉強方法
テキストなどは買わずにスマホの無料アプリで各科目の過去問を何周かやりました。
ストアで”調理師免許過去問”と検索して出てきたものをいくつかDLした記憶があります。
仕事が忙しく、まとまった時間で勉強するのがつらかったためスキマ時間を活用しました。
スマホアプリは手軽で、どこでも勉強・見なおしができるためオススメです。
まちがえたところや知らなかったところをつぶしていきました。
この方法で合格できたのは、受験した時期が管理栄養士を取ってから2年後で、記憶がある程度残っていたことも大きかったです。
取得の流れや試験当日ってどんなかんじ?
受験申し込み~免許うけとりまで
まず受験申請用書類を保健所などの配布場所でもらい記入します。(郵送取り寄せも可)
印紙や写真を貼る作業もありますが、案内をよく読めばむずかしいことはなかったです。
卒業証明書のとり寄せや調理業務従事証明書を施設の代表者に書いてもらう必要があるため、必要書類は早めに確認して準備しておくことをオススメします。
詳細はホームページで確認してください。
参考リンク 調理師試験 – 調理技術技能センター (chouri-ggc.or.jp)
書類提出後は当日まで勉強して準備し、受験票が届くのを待ちます。
そして受験票に記載されている日時に会場に行き、筆記試験を受けます。
ホームページと掲示で合格発表があり、合格者には合格通知書が届きます。
合格後は手続きを忘れないように注意です!
必要書類をそろえて都道府県ごとに決められた方法で合格後の手続きをします。
受理されれば自宅に免許証が届きます。
合格発表後1ヶ月ほどはかかるため、早めに手続きをすませましょう。
試験当日の雰囲気
わたしが試験を受けた会場は広く、受験番号で教室が分けられていました。
案内の看板があったり係の人がいるのでわかりやすく、方向音痴なわたしでも迷わず教室までいけました。
しかし、消しごむを忘れたことに気づきコンビニで購入。
時間に余裕をもっていてよかったと感じました。
筆記用具や受験票などの忘れ物には注意です。
会場内は、試験前のピリついた雰囲気。
参考書や作りこまれたノートを見て必死に勉強してる人がほとんどでした。
受験者の年齢層は幅広く、男女比は女の人が若干多いかな、くらい。
行ったことのない場所は落ち着かず、まわりの緊張感も伝わってきました。
あせると、解ける問題もわからなくなったりケアレスミスの原因になります。
スラスラ解いているつもりでも、問題の読み間違えやマークミスがあることも。
必ず1度は見なおしましょう。
必要な資格を精査しよう
今回は、管理栄養士と調理師のダブルライセンスについての体験談をお話ししました。
疑問の解決になりましたでしょうか。
資格は大きな武器になりますが、お金と時間がかかるもの。
栄養士に関連する資格は、調理師以外にもたくさんあります。
自分の目指す方向にあわせて必要な資格を精査するのがいいですね。
応援しています!