
こんにちは、病院で管理栄養士をしているななたです。
毎日の元気のためには、しっかり食事をとることが基本です。
しかし、高齢になると「食事があまり食べられない」という方は少なくありません。
そこで今回は、高齢者の食欲がおちる原因と解決策をまとめました。

ひとりで気負いすぎないようにしてくださいね。
高齢者の食欲低下を解決するには?

まず、以下のような場合は、医療機関(内科や精神科・歯科)での受診をおすすめします。
- あまり食べられていない日が多く、体重が減りつづけている
- 腹痛や下痢、発熱がある
- 糖尿病食などの”治療食”を食べている
- 認知症かもしれない
- むせることがある
- かむこと、飲みこむことがしんどい
という方は、お近くの栄養ケアステーションに問い合わせてみるのもいいですよ。
参考リンク 栄養ケア・ステーションとは|日本栄養士会
家庭内で意識することは以下のとおり。
食欲がない原因や生活環境は人それぞれなため、「食欲低下にはこれが効く」といったものは残念ながらありません。
ようすをよく観察してご本人の話をきき、個人にあった対応をすることが重要です。
とはいえ、「結局どうしたらいいかピンとこない」ということもありますよね。
次でいくつか案をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。
具体的な解決策
水分をこまめにとってもらう

脱水が原因で、食欲がでないことがあります。
とくに高齢者は脱水になりやすいため、注意が必要です。
- 高齢になるにつれ、体のなかの水分量がへっていくため
- 自分では脱水症状に気づきにくいため
- 「トイレが近くなる」
「のどが乾かない」
といった理由で水分を控えがちになるため
水分はいちどに大量にとると、すぐに排出されてしまいます。
少量ずつこまめにとってもらいましょう。
ごはんを食べられていない時は、なおさら「水分」をとるようにしてください。
さらに「塩分」も適度にとるようにしましょう。
宅配弁当に汁物をつけたり、ごはんをお茶漬けにするとより水分・塩分がとれますよ。

間食に、水分の多いものをすすめるのもひとつの手です。
- くだもの
- プリン・ゼリー
- ヨーグルト
- アイス など
夏場は寒すぎない程度に冷房を利用するのも、脱水予防に効果的です。
ムリに食べさせずに見守る

高齢者にとって食事がストレスになると、ますます食欲がなくなってしまいます。
心配な気持ちがあるとは思いますが、以下のような声かけや無理強いは控えましょう。
具体的な問いかけや、プラスのイメージがしやすい擬音語を使うことをオススメします。
少量に盛りつけなおす

宅配弁当の容器やおかずを見ただけでお腹がいっぱいになってしまう方もいます。
そのようなときは、目の前にだす食事の量をへらしましょう。

食器がカラになることで「ぜんぶ食べられた」という達成感が得られます。
そして、『食べられそうなものをおかわりしてもらう』または『時間を置いてまた少量食べてもらう』ようにします。
また、食器を変えることで印象が変わり、食事がおいしく感じる効果もあります。

料理のおいしさには見た目もおおきく関係します。
宅配弁当の「おいしくない・飽きた」を解決する

高齢になると味の感じ方がにぶくなってしまうため、食の好みも変わることがあります。
また、飲んでいるおくすりの副作用で食欲が落ちたり味が正しく感じられないこともあります。
詳細はこちら 薬物性味覚障害について|厚生労働省

今まで食べていたものでも、急においしく感じなくなってしまう……
さらに、宅配弁当を食べ続けた”飽き”が原因の場合もあります。
宅配弁当の味が好みにあっていない・飽きてしまった場合は、
などの方法があります。
関連記事宅配弁当をおいしく生まれ変わらせる10の方法でくわしく解説しています。
食事をするときの姿勢や環境をととのえる

食べるときの姿勢や室内が快適になるようにしましょう。
とくに姿勢は、誤嚥の原因にもなるため重要なポイントです。

テレビが目線より上にあると、あごが上がり、食べものが気管に入ってしまいやすくなります。
いちどむせると、「またむせたら怖いから食べたくない」と食欲が落ちる方もいます。

さらに『誤嚥性肺炎』になってしまうと、命にかかわることも。
かむことや飲みこむことに問題がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。
高齢になると、弱めの冷房でもさむく感じる場合があります。
そのようなときは、熱中症や脱水の防止のため冷房は消さずに、直接風があたらないように工夫しましょう。

厚手の靴下やブランケットなども使って調節します。
そして案外見落としがちなのが換気。
窓をあけて換気をすることで、空気中の有害物質・ニオイや湿気を外にだしたり、酸素を取りこんだりできます。
「暑いから・寒いから」としめきらずに、たまに換気をして新鮮な空気を吸えるようにしましょう。

空気を入れかえると気分も切り替わり、スッキリしますよね。
体を動かしてもらう

体を動かすことでエネルギーが消費され、お腹が空きやすくなります。
また、ストレス発散や健康づくりのためにも、すこしでも多く動くことが重要です。
厚生労働省が2024年1月に発表した『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』でも、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすること」が推奨されるようになりました。

家事や家の中を移動するなど『とにかく動くこと』を意識!
立つのが困難な方でも、「じっとしている時間が長くなりすぎないようにすこしでも体を動かす」ことが推奨されています。
ミールキットをつかうと、できたての手作りごはんが短時間で食べられます。
料理中に香りや音を感じることでも食欲が刺激されますよ。
レシピを見て考えながら指先や体をうごかすため、認知症予防も期待できます。
自宅にとどくため、「買い物に行けない」という方にもピッタリ。

初回特典があり、お得にためせるところをまとめました。
塩分やカロリー制限のある方はウェルネスダイニングの『制限食料理キット』があります。
こちらも送料無料。
公式サイト ウェルネスダイニング: 食事制限専門の宅配食通販
栄養補助食品を活用する

足りていなかった栄養素をおぎなってあげることで、状態が緩和されることもあります。
栄養補助食品は、すこしの量でたくさんのエネルギー(カロリー)や栄養素がとれるすぐれものです。
食べていないからエネルギー不足→しんどい、動けない→ますます食欲が出ない……という悪循環になっていることも。

味をレビューした記事もあります。
食の好みやこだわりを叶える

「たまには新鮮な魚が食べたい」
「あのカップラーメンのスープが飲みたい」
など、食の好みやこだわりがある方も多いのではないでしょうか。
希望のすべてをかなえるのはむずかしいですが、「そんなのムリ・ダメ」と否定され続けることで、食欲が落ちてしまうことも。
ご本人からの希望があれば、すぐには否定せずにいちど耳を傾けてみましょう。

経験談があります。
私の祖母の話になるのですが、イヤなものは絶対に食べない人で、配食のお弁当も「いらん」と一蹴するほど。
白ごはんとやわらかいお肉が大好きで、かたいお肉はひとくちで食べるのをやめていました。

すこし良いお肉を送ると喜んでたくさん食べてくれ、うれしかったです。
そしていちど気に入ったお菓子は、飽きるまで毎日食べ続けていました。

えびせんがブームだったり、あるときはそばぼうろだったり。。
食べられるものをしっかり食べて必要なエネルギーがとれていたためか、年齢以上に元気でしたよ。
やはり本人の食べたいものがいちばん食がすすみ、おいしいのだと感じました。
行事食などを楽しむ

敬老の日やお誕生日などの行事にプチぜいたくを楽しむのもいいですよ。
宅配弁当とのメリハリをつけることも、食欲をとりもどす方法のひとつです。
わたしの勤務先の入院患者さんも、行事食はたくさん召しあがってくださる方が多いです。

みなさんも行事食を楽しんだり、外食で気分をリフレッシュされたことがあるのではないでしょうか。
“お取りよせ”と聞くとお高いイメージがありますが、お得にいいものが買えるサイトもありますよ。

ネット限定のセールや訳アリ商品がねらい目!
サイトやカタログを見ながら選んでもらうのも楽しいかと思います。
セール品の取りあつかいがあるサイトを2つご紹介します。
参考までにどうぞ。

牛肉専門の通販サイト【おろちょく】では送料無料・おためし価格でブランド牛肉の食べくらべセットが購入できます。
おトクな大容量商品もありますよ。

ベルーナグルメは、全国選りすぐりのグルメが豊富にそろっています。
送料無料の商品や、アウトレットセールもありますよ。
ひとりで気負わないようにするのが大切
いかがだったでしょうか。
高齢者の食欲低下には様々な原因があるため、個人にあった対応をすることが重要です。
考え込まず、栄養ケアステーションなどで相談してみると、具体的な解決策が見つかるかもしれません。

ご本人と相談しながら、できそうなことから試してみてくださいね。
